収録済み配信 辻彩奈 ヴァイオリン・リサイタル 2021

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収録済み配信 辻彩奈 ヴァイオリン・リサイタル 2021

“自らの言葉で音楽を語る”ヴァイオリニスト 柴田克彦(音楽評論家)

辻彩奈は、“自らの言葉で音楽を語る”ヴァイオリニストである。モントリオール国際音楽コンクールの優勝で技巧面は保証付きだが、同様の若手と一線を画すのは、“自身の声”で奏でる濃密で迫真的な音楽、すなわち唯一無二の訴求力だ。  

そんな彼女はいま、自分の言葉=音楽の語彙を着々と増やしている。1つのマイルストーンは、2019年1月の「J.S.バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏」。同公演では、様式を踏まえながら音とパッションが同化した生気溢れる表現を聴かせ、一段の進化を印象付けた。さらに同年4月ジョナサン・ノット指揮/スイス・ロマンド管と内外で共演し、9月からはフランスに留学。大家レジス・パスキエに学んでいる。数年で急上昇した吸収力抜群の辻が、こうした経験や成果を加えて見せる深化……そこが今回のリサイタルの肝となる。  

プログラムには、モーツァルトの典雅な佳品、ベートーヴェンの劇的な短調ソナタ、フランクのロマン派の看板曲と王道レパートリーが並ぶ。これならば今の彼女の音楽性が明確に分かるし、今後を占うにも最適。むろん稀代の名作を純粋に楽しむこともできる。また辻自身が委嘱した権代作品は、3つの短い無伴奏曲からなる凝縮度の高い音楽。20年6月の初演がオンラインだっただけに、生での全曲披露に注目が集まる。  

ここで、辻彩奈の現在の到達点とさらなる飛翔への脈動を感知したい。

辻彩奈 https://www.kajimotomusic.com/jp/artists/k=266/

阪田知樹 https://www.japanarts.co.jp/artist/tomokisakata/

【収録日】

【日程】2021年3月12日(金)

【開演】19:00

【会場】紀尾井ホール

【共演】阪田知樹(ピアノ)

【曲目】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.380     

ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2     

権代 敦彦: Post Festum ~ ソロ・ヴァイオリンのための op.172(辻 彩奈 委嘱作品)     

フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調

【主催】KAJIMOTO

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